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ほのかさんのレミゼラブル帝劇公演の折り返し公演を観劇してきました。自分としては、プレ公演以来となる斎藤テナルディエとほのかさんマダムの共演です。カンパニー全体が自由闊達な空気に溢れていて、公演初期に較べるとかなり芝居寄りになってきた公演でした。
斎藤テナルディエも随分とレミゼラブルの雰囲気が身についてきて、宿屋を営む恐妻家の主人といった風情に馴染んで見えました。声質と線の細さのせいか気の小さな小悪党という感じはそのままなのですけれど、それでも、そんな主人の尻を叩くほのかさんマダムの力強い生き様が傍にあると、組み合わせとして面白い、新しいテナ夫婦像として楽しむことができました。
ほのかさんマダムは底辺の住人である芝居が完璧で、宿屋のシーンは見ているだけで皮膚や嗅覚に訴えてきます。そのうえ欲を隠そうともせずテナルディエをたきつける姿は、図々しくて逞しく、おそらくマダムがいないと斎藤テナルディエは何もできないんじゃないか、とさえ感じられました。実は宿屋もマダムでもっているのかもしれません。マリウスにお金をせびるところなど、マダムの強引さにテナルディエがビクついているようにさえ見えましたが、命がけで信念を貫く生き方とは対極にいる夫婦ですし、庶民の私には親しみやすい姿です。
音楽の力が強く名曲揃いの作品の中で、テナルディエ夫婦の登場するシーンは、物語の雰囲気を変える転換点が少なくありません。重厚な物語で笑いという難しい感情も請け負いながら、劇中で生きてゆくのは大変と思いますが、夫婦二人三脚で頑張ってください。しっかりと笑いのツボを楽しませていただいています!そして生き残ったのはマリウスとコゼット、それにテナルディエ夫婦なのに改めて気付いた観劇でした。
今回も楽しい時間をありがとうございました。体を張った公演ですけど、あと半分お怪我などなさらないように、頑張ってくださいね。
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