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魅力的なマダムでした!

 投稿者:萩の月  投稿日:2017年 7月 2日(日)22時24分57秒
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  初演キャストであり現役キャストであり続ける、鈴木ほのかさんの歩みの凄さ。その演技力の豊かさが実感できた、とても魅力的な舞台でした。
はじめは「逢えると夢見たプリンス・・・」と可愛らしく切り出した表情が「それが何だよあいつがプリンス!」と怒りに満ちた表情に豹変する様は、湧き上がる感情が抑え切れない様が怖いほどに伝わってきて、凄みのある迫力です。亭主への怒り、貧しい社会への絶望といろいろな感情が渦巻くマダムの胸中が伺えて、怖いほどです。儚く散ったファンティーヌも美しくて悲しかったけれど、逞しく生き抜いたマダムも、かつては幸せを夢見た美しい女性だったと思うと、あるいは怖さの裏にも寂しさがあるのかもしれません。
子供を預かって働かせたり収入を得たりするのは、当時のフランスではあたりまえの風習だったそうですが、ほのかさんのマダム・テナルディエはそんな時代に生きながらも、逞しく生き抜くひとりの女性の強さが現実味をもって迫ってきます。革命を夢見るでもなく神様を信じるでもなく、ただ目の前の欲望だけに忠実な人物ですが、その分とても身近に感じられる部分があって、作品を飛び出して迫ってくる説得力がありました。

マダム・テナルディエといえば、かつては鳳蘭さん、前田美波里さん等々、ベテランの役者さんが演じてきた役ですね。舞台上で華麗な姿が求められる役ではありませんけれど、レ・ミゼラブルの不遇な時代背景を象徴しているだけに、役どころをしっかりと受け止められる特別な技量が求められるポジションではないでしょうか。
過去の先輩方の役を受け継ぐといっても、常に前に進まなければ通用しないのもまた、舞台演劇の厳しいところですが、ほのかさんのマダム・テナルディエは、また新しい魅力を持った姿を楽しませてくれました。自分にとって出逢えてよかった時間、大事な財産です。
厳しい時代を、自分だけを信じて生き抜くマダムは、心身ともにパワーが必要な役かと思います。公演はまだまだ続きますが、最後までお体に気を付けて頑張ってください。
いまは観劇の回数に限りがあるのが残念でなりません。また観にゆきますね。

追伸 公演のパンフレットに今回の写真が追加されましたので、また購入してしまいました。ほのかさんのマダムが大きく載っていて、躍動しています!
 
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